梅雨から真夏にかけては、畳のトラブルが一番多い季節です。カビ、ダニ、臭い……。「去年は大丈夫だったのに」というお声もよくいただきます。

この記事では、夏に起こりやすい畳トラブルの原因と、今すぐできる対策をまとめました。長崎の気候を踏まえた、地元の畳職人ならではのアドバイスです。

なぜ夏に畳トラブルが増えるのか

畳のトラブルの大半は「湿気」が原因です。カビもダニも、高温多湿の環境で一気に活発になります。

カビやダニが発生しやすい条件は、温度25〜30℃、湿度70%以上。梅雨から真夏にかけて、まさにこの条件がそろいます。

長崎は全国的にも湿度が高い地域で、年間平均湿度は75%前後。特に6月〜9月は室内の湿度が80%を超えることも珍しくありません。畳にとっては厳しい季節です。

また、意外かもしれませんが、新しい畳ほどカビが生えやすいという特徴もあります。い草には豊富な栄養分が残っているため、カビの「エサ」になりやすいのです。新畳や表替えをした最初の梅雨は、特に注意が必要です。

トラブル1 ― 畳にカビが生えた

夏の畳トラブルで最も多いのがカビです。気づいたときには広がっていた、というケースも少なくありません。

白カビと青カビの見分け方

畳に生えるカビは、大きく分けて2種類あります。

  • 白カビ(白い粉状):初期段階のカビ。表面に付着しているだけなので、正しく対処すれば比較的簡単に除去できます
  • 青カビ・黒カビ(緑〜黒色):進行したカビ。い草の繊維の奥まで入り込んでいる場合があり、除去が難しくなります

カビの正しい対処法

カビを見つけたら、以下の手順で対処してください。

1

換気する

窓を開けて風を通し、部屋の湿度を下げます。エアコンのドライ機能でもOKです。

2

しっかり乾燥させる

カビは湿気で広がります。まず乾燥させてからお掃除に移りましょう。

3

掃除機で吸い取る

畳の目に沿ってゆっくり掃除機をかけます。カビの胞子を飛ばさないよう、やさしく吸い取ってください。

4

消毒用エタノールで拭く

消毒用エタノール(70〜80%濃度)をスプレーし、乾いた布で拭き取ります。殺菌効果でカビの再発を抑えます。

やってはいけないこと:重曹を畳に使うと、い草が変色する原因になります。また、塩素系漂白剤(カビキラーなど)もい草を傷めるためNGです。畳のカビ取りは、消毒用エタノールが正解です。

カビを予防するには

カビが生えてからの対処より、日頃の予防が大切です。

  • 除湿器やエアコンのドライ機能を使って、室内湿度を60%以下に保つ
  • 天気のよい日はこまめに換気する(1日2回以上が理想)
  • 畳の上に布団を敷きっぱなしにしない(湿気がこもる原因)
  • 家具と畳の間に少し隙間をつくると、空気が通りやすくなります

トラブル2 ― 畳が臭い

「畳から変な臭いがする」というご相談も、夏に増えるトラブルです。臭いの原因を特定することが、正しい対処の第一歩です。

臭いの原因を見極める

  • カビ臭(ジメッとした土のような臭い):カビが発生している可能性が高いです。上の「カビ対処法」と同じ手順で対応してください
  • い草の発酵臭(酸っぱいような臭い):新しい畳に起こることがあります。い草に含まれる成分が湿気で発酵したもので、体に害はありません。換気を続ければ、数週間で自然に収まります
  • ペット臭(アンモニア臭):ペットの粗相が染み込んでいる場合、拭き掃除だけでは臭いが取れないことがあります。この場合は表替えが有効です

まずは換気から

どの原因であっても、最初にやるべきことは換気です。窓を開けて空気を入れ替え、臭いの原因を特定してから対処しましょう。「とりあえず消臭スプレー」は、原因を隠すだけで根本解決にはなりません。

トラブル3 ― ダニが気になる

「畳にダニがいるかも」と心配される方も多いですが、まず知っていただきたいのは、ダニは畳だけの問題ではないということ。布団、カーペット、ソファ、ぬいぐるみなど、ダニの住処はたくさんあります。

畳だけを対策しても、他の場所からダニがやってくるため、お部屋全体での対策が大切です。

ダニの対処法と予防

  • こまめな掃除機がけ:畳の目に沿って、ゆっくり丁寧にかけます。1畳あたり30秒以上が目安
  • 除湿で繁殖を抑える:ダニも湿気を好みます。カビ対策と同じく、湿度60%以下をキープ
  • 60℃以上の熱で駆除:布団乾燥機を畳の上に当てると、熱でダニを駆除できます。その後、死骸を掃除機で吸い取ってください

ダニが気になるなら素材の見直しも

い草畳はダニの栄養源になりますが、樹脂畳(セキスイ美草)や和紙畳(ダイケン健やかおもて)なら、ダニの栄養にならず、繁殖しにくい環境をつくれます。小さなお子さんやアレルギーが気になるご家庭では、素材の見直しも選択肢のひとつです。

プロに相談すべきサイン

日頃のお手入れで対処できるトラブルもありますが、以下のような場合は畳の専門家に相談することをおすすめします。

こんなときは、畳替えの検討を:
・カビが繰り返し生える(表面だけでなく畳床まで湿気が入っている可能性)
・畳を踏むとフカフカする(畳床が劣化しているサイン)
・5年以上、裏返しや表替えをしていない
・臭いが換気や掃除で取れない

これらの症状が1つでもあれば、一度プロに見てもらうのが安心です。当店では、LINEで畳の写真を送っていただくだけで状態を診断できます。

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