カビ臭、青臭さ、ペット臭など、原因によって対処法はまったく違います。間違った方法で対処すると、かえって畳を傷めてしまうことも。
このコラムでは、畳の臭いの原因を5つに分類し、それぞれの正しい対処法をお伝えします。
畳の臭い、5つの原因と対処法
畳の臭いには、大きく分けて5つの原因があります。まずは「どの臭いに近いか」を確認してみてください。
1. カビ臭 ── 一番多い原因
畳の臭いで最も多いのが、カビが原因の臭いです。梅雨の時期や、締め切った部屋で起こりやすくなります。
対処法はシンプルです。
- 換気:窓を開けて空気を入れ替える(最低でも1日2回、各10分以上)
- 乾燥:エアコンの除湿機能や除湿機で湿度を下げる
- エタノール拭き:消毒用エタノール(70〜80%)を布に含ませて、畳の目に沿って拭く
カビが表面だけなら、この3ステップでかなり改善します。ただし、畳の内部までカビが進行している場合は、表替えが必要になることもあります。
2. 新しい畳の青臭さ ── い草の自然な香り
畳を新しくした直後に「青臭い」と感じることがあります。これはい草本来の香りで、異常ではありません。
い草にはリラックス効果のある成分(フィトンチッド)が含まれており、新しい畳ほど香りが強く出ます。2〜3週間で自然に落ち着きますので、換気をしながらお過ごしください。
3. ペットの臭い ── 染み込むと取れにくい
犬や猫の尿が畳に染み込むと、臭いが畳床(中材)まで浸透してしまいます。表面を拭いても根本的な解決にはなりません。
応急処置としては、すぐに拭き取ったあと、薄めたクエン酸水で拭く方法があります。ただし、繰り返し染み込んでいる場合は表替えが根本的な解決策です。
今後のことを考えるなら、水分が染み込みにくい樹脂畳への変更がおすすめです。
4. タバコ臭 ── い草は臭いを吸着しやすい
い草には微細な穴(多孔質構造)があり、タバコの臭いを吸着しやすい性質があります。一度染み付くと換気だけでは取りきれません。
根本的に解消するには表替えが有効です。新しいい草に替えることで、臭いは一掃されます。喫煙される方が多いご家庭では、臭いを吸着しにくい樹脂畳への変更も検討してみてください。
5. 古い畳の酸っぱい臭い ── 畳床の劣化サイン
畳から酸っぱい臭いや独特の異臭がする場合、畳床(中材)が劣化している可能性があります。15年以上使っている畳に多い症状です。
この場合は表替えでは解決しません。畳床ごと交換する「新畳」への入替えを検討してください。踏んだときにフカフカする、へこみが戻らないといった症状があれば、交換の目安です。
やってはいけない臭い対策
臭いが気になると、つい手近な方法で対処したくなりますが、以下の方法は畳を傷める原因になります。
液体が染み込んでシミの原因に。スプレーは布に吹きかけてから拭くのが正解です。
NG:重曹を直接まく
い草が重曹のアルカリ性に反応して黄色く変色します。一度変色すると元に戻りません。
NG:水拭き・水洗い
湿気がこもり、カビの発生を助長します。拭く場合は固く絞った布か、乾拭きが基本です。
臭いに強い畳素材
臭い対策を根本から考えるなら、素材選びが重要です。
樹脂畳(セキスイ美草など)や和紙畳(ダイケン健やかおもてなど)は、い草と違って臭いを吸着しにくい構造になっています。
- 水分が染み込みにくいため、ペットの粗相にも対応しやすい
- カビが発生しにくく、臭いの根本原因を予防できる
- お掃除もサッと水拭きできるので、日常のお手入れも簡単
ペットがいるご家庭や、湿気が気になるお部屋には特におすすめです。
臭いが取れないときはプロに相談を
ここまでの対処法を試しても臭いが改善しない場合は、畳の内部に原因がある可能性が高いです。
畳の写真をLINEで送っていただければ、状態を診断できます。表面の様子だけでも、プロの目で見れば「表替えで解決するか」「新畳が必要か」の判断ができます。
実際のところ、臭いのお悩みは表替えで解決するケースがほとんどです。まずはお気軽にご相談ください。