その感覚、実は科学的な根拠があるのです。い草には空気清浄作用やリラックス効果、調湿作用など、健康に嬉しい機能がたくさん備わっています。
この記事では、畳(い草)が持つ健康効果を、研究データを交えてわかりやすく解説します。
い草の空気清浄作用
い草には、空気中の有害物質を吸着する力があることがわかっています。
具体的には、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドや、自動車の排気ガスに含まれる二酸化窒素(NO2)を吸着・分解する作用が確認されています。
い草の断面を顕微鏡で見ると、スポンジのような多孔質構造になっています。この無数の小さな穴が、有害物質を取り込んで浄化してくれるのです。まさに天然の空気清浄機と言える存在です。
リラックス効果 --- い草の香りの秘密
い草の独特な香りの正体は、「フィトンチッド」と呼ばれる植物由来の芳香成分です。フィトンチッドは森の木々が放出する物質と同じ系統のもので、森林浴と同じようなリラックス効果をもたらします。
い草の香りには、バニラの香り成分「バニリン」やリンゴの香り成分なども含まれており、これらが複合的に作用して副交感神経を刺激。心拍数を落ち着かせ、ストレスを軽減する効果があるとされています。
新しい畳に替えたとき、あの心地よい香りに包まれる幸福感は、科学的に裏付けられたものなのです。
調湿作用 --- 天然の除湿器
い草には優れた調湿作用があります。湿度が高いときは水分を吸収し、乾燥しているときは水分を放出して、部屋の湿度を適度に保ってくれます。
その能力は驚くべきもので、畳1枚あたり約500mlの水分を吸放湿できると言われています。6畳の部屋なら約3リットル。ペットボトル6本分もの水分をコントロールしてくれる計算です。
長崎のような湿度の高い地域では、この調湿作用は特にありがたい機能です。じめじめした梅雨時でも、畳の部屋は比較的快適に過ごせるのはこのためです。
集中力向上 --- 学習効率が上がる
北九州市立大学の研究で、い草の香りが子どもの学習効率を向上させるという結果が報告されています。
この研究では、い草の香りがある環境とない環境で計算テストを行ったところ、い草の香りがある環境の方が回答数が増加し、正答率も向上したとのこと。い草の香りが精神を落ち着かせつつ、適度な集中状態を作り出す効果があると考えられています。
お子さんの勉強部屋に畳があると、学習効率が上がるかもしれません。リビング学習でも、い草のラグを敷くだけで効果が期待できます。
天然い草 vs 樹脂畳・和紙畳
近年人気の樹脂畳(セキスイ美草など)や和紙畳(ダイケン健やかおもてなど)。デザイン性やメンテナンス性に優れていますが、健康効果の面では天然い草に軍配が上がります。
| 機能 | 天然い草 | 樹脂畳・和紙畳 |
|---|---|---|
| 空気清浄作用 | あり | なし |
| リラックス効果 | あり(香り成分) | ほぼなし |
| 調湿作用 | あり(高い) | なし〜わずか |
| 集中力向上 | あり | ほぼなし |
| 耐久性 | 普通 | 高い |
| メンテナンス | やや手間 | 簡単 |
| 色のバリエーション | 限定的 | 豊富 |
健康効果を重視するなら天然い草、お手入れのしやすさやデザインを重視するなら樹脂・和紙畳。お部屋の用途やご家庭の環境に合わせて選ぶのがおすすめです。